大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和28年(う)210号 判決

次に選挙運動者に供与された金員が右の如く選挙運動者の運動費並に運動報酬を含め一括して交付せられその区分を明にしない場合にはその交付金額全部について公職選挙法第二百二十一条第一項の利益供与罪又はその被供与罪が成立するものと解すべきであるから、同法第二百二十四条の没収又は追徴の対象となるのは右金額の全部であることは当然と云わなければならない。只当該被供与金額中更に同条による没収又は追徴の対象となる供与行為によつて他人に移転した利益がある場合には同利益については当該他人からこれを追徴することができるから当初の被供与者から同部分を追徴することは二重追徴の危険があるのみならず公平を失するおそれがあるのでこれを避止すべきことは云うまでもないところであるが、所論のような没収並に追徴の対象となることができない処分行為によつて、消費せられた選挙費用の支出の如きは右対象から除外される理由がないものと云わなければならない。尤も右支出が出納責任者の文書による承諾を受けたものであるときはこれ亦別個の問題であるが、所論支出が出納責任者の承諾を受けた事実の認められない本件においてはこれを度外視して追徴額を定めるに何らの違法は存しない。それ故この点の論旨も採用できない。

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